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便秘外来

便秘外来開設にあたって

今や便秘は日本人女性の多くが悩まされている国民病です。
さまざまなサプリメントを試みたり、食生活を見直したり、生活習慣を改めたりしても便秘が改善しない方が多いのが現状です。
従来便秘のタイプは弛緩性便秘・ストレス性便秘・直腸性便秘の3タイプに分類されていましたが、最近この範疇に入らない大腸自体の形態にその原因を求めた新たな知見が注目を集めています。
さらに32年ぶりに新しい作用機序を有した便秘薬が登場してきました。
単に排便回数を増やしたり、便をやわらかくするだけでなく「すっきり感」を伴う自然排を得るのが便秘治療の最終目標です。
便秘のタイプは各人さまざまです。一人一人の便秘の原因を追究し、それぞれに合った治療方法を見つけ出していこうと思ってます。
気楽に受診なさってください。


便秘外来 診療手順

1)問診 
①便秘発症の時期と経過 ②排便回数 ③便通の規則性 ④便の量 ⑤便の硬度 ⑥排便困難の有無 ⑦残便感の有無 ⑧血便の有無 ⑨腹部所見の異常の有無

2)発症誘因 
①年齢 ②性 ③既往歴 ④手術歴 ⑤家族歴 ⑥生活様式

3)便秘の誘因となる薬物はないか?
(制酸剤・抗コリン剤・鎮痛剤・鎮咳剤・気管支拡張剤・麻薬・抗うつ剤・向精神薬・パーキンソン治療薬・利尿剤・神経節遮断薬・降圧剤・筋弛緩剤)の服用の有無

4)治療方針
①器質的便秘→原因疾患の治療
②機能的便秘→発生要因を取り除き、自然の排便リズムへ導く生活指導

5)薬物療法
それぞれの病態に即した最適な薬剤を選択投与する。

お気軽に御相談ください。

便秘症に関するQ&A

Q1:便秘で悩んでる方はどのくらいいるのですか?

A1:厚生労働省の統計では、便秘を訴える患者の人口は10歳代から50歳代までは女性が多いが、60歳代を過ぎると男性の増加し始め、80歳代で男女が逆転する。高齢になるにつれて男女差がなくなり、しかも高齢になると非常な勢いで増加してくる。

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Q2:そもそも便秘とはどのような状態・病態をさすのですか?

2:以前は「排便回数が減ること」と単純に考えられていましたが、いきみなどの排便困難感、残便感による不快感などの主観的要素を含んだ定量化が困難な集合体といえます。

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Q3:便秘のタイプにはどのようなタイプがあるのですか?

A3:大まかに分けて3タイプになります。(タイプ別の表 参照)
しかし、実際は便量が減ってウサギのようなコロコロの便がでるのはストレス性便秘の特徴ですが、ほかのタイプの便秘でもコロコロ便が出ることがあります。また、自力で腸が動かなくなると弛緩性便秘と考えられますが、それは長年、直腸性便秘やストレス性便秘のために下剤を大量に飲み続け、大腸が疲弊して起こるケースが多数あり、タイプをまたいで、症状がかぶっている事が多く見られます。

Q4:最近、注目されている大腸自体の形態異常によって発生する便秘症とはどんなのもなのですか?

A4:国立病院機構(NHO)久里浜医療センターの水上 健博士の研究によれば日本人大腸の形態は教科書的な標準型は2割、残りの8割は大腸の一部がねじれていたり(ねじれ腸)、大腸が骨盤まで落ちこんでいる(落下腸)が判明しました。これらの状態では便が停滞し便秘がひきおこされます。
 当院では2013年12月より大腸カプセル内視鏡を導入していますが、2015年2月行われた日本カプセル内視鏡学会での全国の施設の発表でもカプセルが途中で停滞して全部の大腸の観察ができないケースが報告されていました。
カプセル=便塊と考えれば、カプセルをスムースに移動させる手段があれば、便秘の治療につながる可能性があると考えられます。 (日本人の大腸の形状の特殊性 参照)

Q5:ねじれ腸や落下腸には独特の便秘症状はあるのですか?

問診表を参考にしてください。
A5:問診表 
①子供のころから便秘(腸の形はうまれつきに決まっているので、ねじれ腸や落下腸も生まれつきです。) ②腹痛を伴う便秘(ねじれた部分や、急カーブしている部分で便が引っかかって腸の内圧が上がると腹痛を感じます。痛む個所がいつも同じなのが特徴。)
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③便秘の後、下痢、軟便(ねじれた部分や落下部分で便が引っかかって詰まってしまうと、防御反応で腸が水分をたくさん出します。結果、便がゆるくなるのです。) ④運動量が減った途端、便秘(ねじれ腸でも、運動で腸をゆすることで便秘知らずの人が多数います。運動をやめた途端便秘になったら、ねじれ腸の可能性大。)
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⑤運動しても便秘が改善しない(落下腸の場合多少の運動では便秘改善につながりません。よく運動しているのになかなか改善しないなら、落下腸の可能性があります。) ⑥立ち上がると下腹がでる。(あお向けでは平らなのに、立ち上がったときだけ下腹がでるなら、重力で腸が落ちていると考えられます。落下腸の特徴です。)
ねじれ腸の疑い QA5_5.jpg ねじれ腸の疑い QA5_6.jpg

<判定>
● ピンクが1つあてはまっていたら、ねじれ腸の疑いあり
● ピンクが1つ以下、ブルーが1つ以上あてはまって、落下腸の疑いあり

Q6:この形態異常によって生じた便秘症に効果的な治療法はあるのですか?

A6:ねじれ腸の場合は①上体ひねり体操(横行結腸→下行結腸へのまがり角)と
②腸ゆらしマッサージ→(下行結腸・S状結腸)を行う
落下腸の場合は ③腸押し上げマッサージ(落ちた横行結腸を手でグーッと、本来の位置まで押し上げます。)    
(カプセルを進める体操とマッサージ 1,2,3参照) 

Q7:32年ぶりに登場した新しい便秘薬はどのようなものなのですか?

A7:これまでにない、全く新しい作用機序の慢性便秘薬で商品名アミティーザ
(一般名:ルビプロストン)です。小腸に存在するCIC-2クロライドチャンネルを活性化し、腸管内への水分分泌を促進して便を柔らかくし、自然排便を促します。
アミティーザ、1日24μカプセルを1日2回投与することで、自然排便回数を増加させ、硬便、いきみ、残便感、不快感、腹部膨満感といった慢性便秘症に伴う諸症状を改善します。
           

Q8:新薬の効果的な使用法や副作用対策はどのようになってますか?

A8:
1)単剤から開始する場合:
  アミティーザ2カプセルを基本処方とする。効果不十分な場合には異なる作用機序の薬剤を適宜追加
2)酸化マグネシウムからアミティーザに変更する場合:
  最初はアミティーザ2カプセルに併せて酸化マグネシウムを処方し、排便回数および症状改善に伴い酸化マグネシウムを減量し、最終的にアミティーザ2カピセルの処方とする。
3)刺激性下剤からアミティーザに変更する場合:
  一度に薬剤を切り替えず、刺激性下剤を減量したうえで、アミティーザカプセル1カプセルを処方し、徐々に刺激性下剤からの離脱を図り、最終的にアミティーザ2カプセルの処方とする。
<副作用対策>
1) 副作用は主に悪心と下痢 (頻度 41%)
2) 悪心は若い女性に、下痢は前治療歴のない男性に多い。
3) ガナトンの併用で副作用頻度 41%→22%に改善されている。

Q9:排便時トイレで工夫する方法はありますか?

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A9:①洋式トイレの足元に台を置く。
足を上げると直腸と肛門の角度がゆるんで、肛門が下を向くため、便が通りやすくなる。 (便座1の図 参照)






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②腸のストレッチを行う。
便座に座って前傾姿勢をとり、片方の手で反対側の足首をとり、腸にねじりを加え、腸を刺激する。(左右交代、20秒づつ) (便座2の図 参照)


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